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大鏡
七/太政大臣道長
不比等のおとヾの男子四所お四家となづけて、みな門おわかち給へりけり、その太郎左大臣武智麻呂おば南家となづけ、二郎房前おば北家となづけ、御はらからの宇合の式部卿おば式家となづけ、そのおとヾの麻呂おば京家と名づけ給ひて、これお藤氏の四家とは名づけられたるなりけり、この四の家より、あまたのさま〴〵の国王大臣公卿、おほくいで給ひて、さかえおはしましヽ、しかあれど北家のすえ、いまにえだひろごり給へり、