[p.0426]
三内口決
一摂家清華事
摂家と申候は、摂政家と雲心侯、元来は近九之二流にて候、近衛より出たるお鷹司と称し、九条より別れたるお二条一条と申候、是お摂家の五流と号候、〈摂家は子細ありて、五流お為限、諸家は力量次第立家候、〉近衛は、系図之面雖為宗領、名記無之、九条は雖為庶流、峯関白、〈○道家〉月輪禅閤、〈○兼実〉後京極摂政〈○ 〓経〉之御記、〈○道家の玉蘂、兼実の玉海、 〓経の殿記、〉是お三代の正記と号して、為天下之鏡、然間九条は正嫡と見え候哉、雖然諸家之用ひは、五流無差別候、但二条之一流は、南朝御出奔之後、光厳院、被開聖運、当代之御一流、被用正統之事者、二条〈後普光院摂政 〓基公〉一家之勲功也、