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続世継
三/二葉の松
当代〈○高倉〉は、一院〈○後白河〉の御子、御母は皇后宮滋子ときこえさせ給、贈左大臣平時信のおとヾの御女なり、〈○中略〉いままた平の氏の国母、かく栄えさせ給ふうへに、同じ氏の上達部、殿上人、近衛づかさなど多くきこえ給、此氏の然るべく栄え給ふ時のいたれるなるべし、たひらの氏のはじめは、一つにおはしましけれど、にきの家(○○○○)と、世のかためにおはする筋とは、久しくかはりてかた〴〵聞え給お、いづ方もおなじ御世に、みかど后おなじ氏に栄えさせ給める、