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倭訓栞
前編/十三世
ぜぢやう 是定のよみ也、橘家衰微の後、長者の号ありといへども、唯学館院の領お知ばかりにて、氏爵に於ては、是定は其人お撰み、宣旨お下さるヽおいふ、近代九条家に伝へらる、よて橘家は皆其家に属せり、西宮記には、氏定と見えて、氏と是と通ずるわけは、うぢの下に見えたり、江家次第に、中納言橘澄清、以中関白為是定、令知学生事と見え、職原抄に於氏爵者、是定之人挙之、是定者、択其人被下宣旨也と見えたる、此義なり、