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標註職原抄別記

是定とは、橘氏に限ていふ称にはあらず、いづれの氏にても、その氏族の事お執行ふ長者の称なり、康富記宝徳元年十二月十一日の件に雲、王氏御申文事、第一親王、為是定可被申請也、〈○中略〉かく王氏にも是定あり、然るお此抄に、橘氏にのみのたまへるは、王藤源の諸氏は、公卿以上の長者ありて、是定宣下の事なき故に、おのづから是定の事に及ばれざるものなり、〈完元四年十月十三日葉黄記に、自関東、時頼使安藤左衛門光成上洛、関東申次、可為相国之 由是定(○○)、とある是定もこヽの義におなじ、〉