[p.0488]
標註職原抄別記

其眷族多在者、則分各定氏上とは、喪葬令に別祖氏宗といふ事ありて、義解に別祖者、別族之始祖也、氏宗者、氏中之宗長也と見ゆ、これお漢土に擬ていへば、氏宗は大宗の如く、別族は小宗の如く、皆一家よりわかれて数族となれるなり、さる氏々には、その一族々々の内にて、氏上お定めよといふ事なり、因承官制雲々とあるは、氏上お官判にて定る事にはあらず、こは族多かる者は、一族々々にて氏上お定め、此お理官に申せば、理官に於て此一族には氏上あるべし、此一族にはなくても事欠まじければ、彼氏上に摂しめて、こなたおば氏上お除くべしなど断りて、さて奏お経て勅お聞て定むるなり、