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甲子夜話

小出亀之助とて、〈二千石〉当時御使番なる人、予も相識にて武辺者なり、此人の家紋、額の中に一八と文字あり、予其故お問に曰、我が先祖、某の処〈地名忘〉に於て、首十六お獲て、其辺なる祠の額に積て実検に及べり、神祖〈○徳川家康〉功労お賞給ひて、其状お家紋にせよと命ぜらるヽより、この如しと雲へり