[p.0520]
安斎随筆
後編五
一梶原氏家紋 源平盛衰記巻三十五義経院参の条に雲、大文字三箇書たる直垂に黒糸威鎧は、同国住人梶原平蔵景時子息景季生年二十三と名乗る、土佐国主山内氏家臣大庭源之助と雲者、家に古き幕あり、先祖の幕なりと雲伝ふ、其幕の紋、大の字の下に二の字お小く書たり、 〓如此の紋なり、梶原と大庭とは同家なり、故に名乗に両家共に景の字お付なり、ゆえに幕の紋に 〓お付るなるべし、彼源之助家は庶流なる故、 〓お用ずして 〓の代に、大の下傍に二の字お用るなるべし、二の字お大きにして大二、如此しては二箇引両に似たれば、 〓如此したる歟、