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寛永諸家系図伝
十八
大島

童名西扇丸 生国伊豆
家伝にいはく、西扇丸、幼稚にして倭歌おこのむのよし叡聞に達し、あるとき召れて参内す、時 に三の胡蝶飛来て、禁延の梅花にとヾまる、是何ぞやと勅問ありければ、西扇丸、蝶なりと勅答 申す、勅使のいはく、三あるものは、其数半(○)なるお、いかむとしてか、重(○)とは申ぞと難じければ、
一つある鳥も千鳥といふなれば三つあるとてもてふ(○○)といはまし、と詠じければ、はなはだ 叡感あつて、梅樹と三蝶お以て家紋とすべきの勅諚により、日の丸おあらためて、梅と蝶とお 以て紋とす、〈○中略〉
家紋、梅の折枝三連の上羽蝶、