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傍廂後編

月に星九曜
伊東家の月に星九曜、俗に十曜と雲ふ、斯の如き文は、もと千葉の文にて、中は月にて、めぐりに九星あり、今俗に十曜と雲ふ、伊東祐親が懇望にて、頼朝卿口入なれば、常胤斟酌に及ばず、ゆづりたる古文、人のしる所なり、さるお伊東家は、その時譲り受けたるまヽにかはる事なきお、中々に本たる千葉家にては、誤りて と 、ふたつになしたるは、いつの頃よりの誤ならん、月に星九曜のひとつお二にしたるなり、