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三条家装束抄
一冬袍はしヾら地の綾文縁家用之、輪無は当家大炊御門中院党日野勧修寺等用之、轡唐草は西園寺徳大寺花山院四条以下多用之、夏冬無差別、大臣以後異文(○○)袍定れる事也、当家は壮年の時雖任大臣、暫輪無用之也、宿老之後用亀甲、大亀甲遠文居之、大さ七寸計なり、八条大相国〈○藤原実行〉被用此文、依而当家用之、他家異文袍、西園寺は長命唐草、大炊御門亀甲、閑院藤鞆絵、自余隻今不覚悟、追而可尋記、又異文(○○)袍は熨地なり、裏普通物なり、冬袍は裏有之、平絹なり、 強張調之、色の事、四位已上は称黒袍、ふしかねにて染之、面はふくさ張なり、夏の袍は文同上、薄物織之無裏、色又同上、餅のりにて 強張之、