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柳亭記

薄金(うすがち)の紋所好色万金丹〈元禄七年印本〉に、男だての、出たちおいふ条に、釘抜の真鍮紋、あれたる駒の中形小紋といふ事あり、前に自綸手足踏の条に引たる一代男に、紋所は、銀にてほの字切りぬかせ、五所の光りと見えたれば、女は銀の薄がね、男は真鍮の薄金にて、紋所おつけし事ありしなるべし、今もたまたま小児の羽織などにあり、