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嬉遊笑覧
二上/服飾
箕山が大かヾみ、近代は、〈○中略〉大紋処すたれて、成ほど小き紋お付、又二つ紋おも用ゆ、所詮時々の風儀なれば、常任の格に定めがたし雲々、かくいへるは、延宝中の流行なり、又雲、鹿子紋処風流なり、自然に著すべし、鹿子の小ちらしなり、ぬひ紋処また風流なり、成ほど小くして、二つ紋などよろし、〈○中略〉鹿子紋は、紋所お鹿子にしたるなり、万治寛文ころの絵に見えたり、衣食住記、〈享保初より天明に至る、六十余歳の人の託なり、○中略〉又雲、安永天明、衣服の紋処、大く二寸三寸に変る、其頃はやり物およせて、三寸紋、五寸模様に日傘、こはだの鮓に、花が三文とあり、