[p.0573]
賤のおだ巻
紋付とて、歌舞伎役者の紋所お集め、ひらにならべて板行にして、其中に一つ紋お別に封じ張付て、扠紋一つお何銭と定めて、戸々家々に持歩行、或は巡廻して、心々にその紋所に印お付遣はすなり、紋所二つも三つも一人にて付るものは、皆紋所主付て、かの張付たる封お開きて、其紋所にあたりたるもの勝にて、其品お得たり、始はきせるたばこ入様の物なりしが、後は反物櫛 〓袴地の類お出したり、様かはりたる三笠付の類なり、御改正後は、こと〴〵く其類は皆停止せられたり、