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燕石雑志N 一
苗字
海嶋なる人の名は、今将聞わきがたきもあれど、亦おのづからいにしへに称へり、伊豆の大嶋の居民に、東四郎太郎三郎、〈これにて一人の名也〉或は百太郎二郎など呼びなすものありとぞ、是は一男お太郎、二男お二郎とのみ呼べば、毎人にして紛るヽから、住処の地名などに、祖父又父の名お被て、東の四郎が一男お東四郎太郎、又それが三男なれば、東四郎太郎三郎と呼ぶと聞ゆ、