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古事記伝
二十一
大倭根子日子賦斗邇命、御名〈の〉意、根子は尊称にて、景行天皇の御子にも、倭根子命と申すあり、凡人にも記中に、難波根子、書紀神功〈の〉巻に、山背根子など雲名見えたり、天皇は大倭国所知看(しろしめす)お以て、倭根子とは申奉るなり、故此御号、是お始として、孝元開化の二御世、又清寧元明などの御名にも称奉れり、〈光仁より仁明までの御謚号には皆是あり〉凡て御代御代の天皇の御通号となりて、詔命などにも、みな倭根子天皇と申し奉ることなり、