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源氏物語
二/帚木
かくれたらん所にだに、なおいていけとの給へど、〈○源氏〉いとむつかしげにさしこめられて、人あまた侍めれば、かしこげにと聞ゆ、いとおしと思へり、〈○小君〉よしあこだになすてそとの給て、御かたはらにふせ給へり、わかくなめかしき御ありさまお、うれしくめでたしとおもひたれば、つれなき人よりは、中々あはれにおぼさるとぞ、