[p.0712]
源平盛衰記
三十三
太神宮勅使附緒方三郎責平家事
日数積つて月満ぬ、花御本男子お生、随為成長、容顔もゆヽしく、心様も猛かりけり、母方の祖父が片名お取て、是お大太童(わらは)と呼、はたして野山お走行ければ、足にはあかヾり常に分(われ)ければ、異名には皸童とも雲けり、此童は烏帽子著て、皸(あかヾり)大弥太(やた)と雲、