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撈海一得

今の人、名お翻切するは俗なる事なれど、昔より有しにや、羅浮子の説に、崇徳帝仁平元年、詞華集お撰ばる、詞花の二字、邪に反ると雲て難ぜし、又日次の記などにも、名お反す事ありと東見記に見えたり、後世其事盛になり、今は天下の人、反切せではならぬ風になりたるは、いつの頃よりにや、僧玄昉明雲僧正などは、反切に関にはあらず、