[p.0720][p.0721]
類聚名物考
姓氏八
反名 かへし名今人の名告に、必反字おもて、吉凶おいひて、とかくいふ事有、古へはなけれども、中古よりは似たる事あれども、今いふが如くにはあらず、今帰納字の事おいふは、その反たる字お名に用るにはあらず、中世のは、その反り字お、すぐに一名の様に用いたる事有也、されども多くは見えず、たまさかの事也、阿弥陀お網田と書、史お不比等と書、馬養お宇合と書、旅人お談等と書たるが如き、音訓相交へてかきたるさま、反名のよりて出たる故なるべし、