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鈴屋翁略年譜
九月〈○享和元年〉十八日より、こヽちわづらひ給ひけるが、やうやくにあつくなりて、廿九日〈小〉の暁、身まかり給ひぬ、十月二日、かねて定置給ひつる、山室山の嶺の墓所に葬めまいらす、〈○中略〉さて又大人の諡お、秋津彦美豆桜根大人と称へ申す、平常に手馴し給ひける、桜木にて造りたる笏の形したるものお霊牌として、諡お書つけて、家に祀り参らす、〈○中略〉これらの事どもは、かねて言おき給へるおもむきの有しゆえなりとぞ、