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安斎随筆
前編七
一忌君諱字省点画 近頃儒学の徒、文お著すに、家お 〓とし、康お 〓とし、吉お 〓とし、宗お 〓とし、重お 〓とし、治お 〓とするは、将軍家〈○徳川氏〉の御諱お憚て、点画お省くと也、是近世渡来の書に効へる也、然れ共朝廷先王の御諱、近く今皇の御諱の字おば憚らず、一お知て二お知らず、左お知て右お知らずと雲べし、凱儒と雲はんや、