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傍廂
前篇

すべて女のよび名は、さらぬもあれど、大かたは父か夫かの官名およばるヽが多し、小児もしりたる百人一首の中なる女のよび名は、伊勢は、伊勢守継蔭の女なり、右近は、右近の少将季縄の女なり、和泉は、和泉守道貞の妻なり、大弐三位は、太宰大弐成章の妻なり、赤染右衛門は、赤染時用の女なり、小式部内侍は、和泉式部の女なり、伊勢大輔は、伊勢祭主輔親の女なり、清少納言は、清原元輔の女なり、相模は、相模守公資の妻なり、周防内侍は、周防守継仲の女なり、紀伊は、紀伊守重経の妹なり、