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空穂物語
忠こそ
右大じん橘の千かげと申すおはしけり、〈○中略〉御めには一世の源氏、かたちきよらなる名とり給へるが、十四さいなるおば給てすみたまふ程に、十六さいといふとしの五月五日に、たまひかりかヾやきたるおとこの、いとおかしげなるおうみ給へり、なおばたヾこそ(○○○○)といふ、