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栄花物語
二十五/嶺の月
その日〈○万寿二年七月十一日〉になりぬれば、いんの御くるまに、さうぞくせさせ給、〈○中略〉御さきにそうばかりさきだてヽ、あみだのひじりのなむあみだ仏と、くもくざうはるかにこえうちあげたれば、さばかりかなしきことのもよほしなり、