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江戸作者部類

山東京伝
江戸京橋銀座一丁目の家主岩瀬伝左衛門〈本姓は灰田也〉の長男にて、実名お伝蔵と雲、名は田蔵(のぶよし)、字は 伯慶、後に名お醒、字お酉星と改め、山東庵と号し、醒々老人と称す、嘗て画お北尾重政に学びて、 画名お北尾政演といひけり、
式亭三馬
三馬は、板木師菊池茂兵衛の子也、名は太助、〈○中略〉戯作は寛政八九年の頃より名お著はして、初 は西宮新六板にて、二冊三冊の臭草紙お作り、又洒落本とか雲、誨淫の小冊お綴て印行したり、 みづから雲、吾は唐来子の才お慕ひ、烏亭子に忘形の友とせられしより、三和焉馬の一字お取 りて、三馬と号するとぞ、
為永春水
実名お越前屋長二郎と雲