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俳家奇人談

服部嵐雪
服部嵐雪は、淡州小榎並村に出生す、幼名久馬助、〈○中略〉蕉門に遊て、俳名お治助といふ、後嵐雪といへるは、嵐の庭の雪ならではと思ひ寄り侍る愚さ、今更改んもおこがましと笑ふ事度々なり、〈○中略〉初に黄落庵、寒蓼堂の称あり、後に雪中庵、一に不白軒、玄峯堂と号せしは、禅録に、雪千山お理む、什麼孤峯不白なるといふ語によれるとぞ、