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蜘蛛の糸巻追加
春駒の上るり
天明二年寅の霜月顔見世に、中村座にて、〈○中略〉豊前大夫妙音にて、桜田治助妙作にて、吉原の遊女名寄の春駒、両人〈○岩井半四郎、瀬川菊之丞、〉の所作、奇々妙々いふべからず、〈○中略〉扠右遊女名寄の文句にのりたるは、若紫、〈玉屋〉千山、〈丁子屋〉雛鶴、〈同〉九重、〈同〉もろこし、〈同〉丁山、〈同〉なヽ里、〈扇屋〉若松、〈同〉連山、〈同〉濃紫、〈玉屋〉花紫、〈同〉誰が袖、〈大文字屋〉かほる、〈同〉花扇、〈二代目〉若菜、〈わかなや〉白露、〈越前屋〉くれない、〈同〉すがたの、〈松葉屋〉都路、〈同〉あげ巻、〈同〉瀬川、〈同〉亀菊、〈同〉すが原、〈同〉江川、〈同〉ときは木、〈同〉かたらひ、〈同〉春日野、〈同〉以上廿七人、いづれも時の名妓、みせにつかず、仲の町おはりたる遊女どもなり、