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古今著聞集
十六/興言利口
壬生二品家隆(○○)の家にて、ある人の子お男になす事侍り、隆祐朝臣〈○家隆子〉の子になして、やがてかの朝臣、加冠はしけり、名おば何とか付くべきなど沙汰しけるお、あつみの三郎為俊といふ田舎さぶらひ聞て、進み出ていひけるは、此殿に、御一家は、みな隆の字おなのらせたまへば、いへたか(○○○○)とや付け参らせらるべく候らんと、ゆヽしくはからひ申たりげにていふお、人々わらひのヽしる事かぎりなし、〈○下略〉