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燕石雑志

苗字
佐渡にては、女の名に、にさといふが火ありとぞ、その故はしらず、又あさといふ名もおほかり、これは朝に生れたるに、しか名づくといふ、昼夕もこれにおなじ、男子にも、朝介、昼介、夕介など名告るもの多し、亦猿松、総郎、晩兵衛などいふもあり、亦伊兵衛が一子に、伊平、又多平が一子に、多兵衛と名告るものありとなん、その地の俗習便宜に任するものなれば、かくても紛るヽ事なきにや、