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古事記伝

根許士爾許士而、書紀に掘とあり、又神武巻に抜取、景行巻に抜などもあり、拾遺には、古語佐禰居自能禰居自と見ゆ、万葉八〈十四丁〉に、去年春(こぞのはる)、伊許自而植之(いこじてうえし)、吾屋外之(わがやどの)、若樹梅者(わかきのうめは)、花咲爾家里(はなさきにけり)、〈拾遺集には、去し年根こじて植しと直して入れり、〉古今六帖に、秋野は根許士にこじて持去とも巌の種は遺しやはせぬなどよみて、根ながらに掘取お雲、俗にいふ根引にするなり、