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草木六部耕種法
五需幹
凡草木の幹お需て作る者(○○○○○○○○○○)は、草類には少けれども、木類には極て多し、宮室及び家財器物薪炭等に至るまで、皆木幹お以て製すべきが故なり、然して其中に於て先づ草の食菜と為すべき者は、独活(うど)、茎芋(ねいも)、欵冬(ふき)、蘘荷茎(みようが)、竹笋(たけのこ)、芋艿(ずいき)、甘〓(かんしや/さたうのき)等あり又雑草の作るべき者には、席草(〓ぐさ)、茳蘺(りうきうふ)、莞(と〓)等あり、又木類の作りて良材と為すべき者は、杉(すぎ)、扁柏(ひのき)、松(まつ)、樅(もみ)、欅(けやき)、樟(くす)、櫧(かし)、檞(ならかしは)等有り、器物お製すべき者には、桐(きり)、黄楊(つげ)、七葉樹(とちのき)、槐(えんじゆ)等有り、又薪炭の料には、櫟(くぬぎ)、勃落樹(ならのき)、朴(えのき)、榿(はりのき)等あり、且つ竹類も亦要用の品なり、宜しく此お作るべし、以上諸種は皆是れ茎幹お需て作る者なり、