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過庭紀談

五経四書諸子楚辞先秦西漢以上の書に、花と雲字一字も無し、唯後漢書の李諧が伝の述身賦に、樹先春而動色、草迎歳而発花とありて、末に四彫章之膄旨咀文芸之英華と雲へり、是れ花の字の見え始めにて、其上一賦の内に花と華と並びに韻に用ゆる出所なり、故に後世の詩人も、一首の詩の内に、花と華とお並び用ひ来れり、