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草木六部耕種法
十一需花
木類の花は古来栽覧して楽むが為に作ることに限ると雖ども、杜鵑花(さつき)は其味酸美にして、酒の肴と為るに宜し、又棣棠梅桜等の花は飯お和して鮓と作べし、味頗る美なり、仙家に此お玉結(たまむすび)と名く、又榴花(ざくろ)は染料に用ひ、芫花(さつまふぢのはな)、玫瑰花(はまなすのはな)、薔薇花(ばらのはな)、柚花、白桃花等は皆薬物と為る者なり、