[p.0018][p.0019]
古今著聞集
十九草木
同御時〈◯順徳〉内裏にて花あはせ(○○○○)有せり、人々めん〳〵に風流おほどこして、花奉りけるに、非蔵人孝時、大きなる桜の枝お両三人してかヽせて、南殿の池のはたにほりたてたりける、簡お付て大花と書たりけり、此事は孝道がたうは、みな鼻の大きなるによりて、院の仰にも、鼻がたうとぞ有ける、これによりて大花と簡お付たりけり、比興の沙汰にてこそ侍ける、