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剪花翁伝
前編一凡例
花形分解之弁〈◯中略〉三に曰、萼は花総(はなぶさ)とよぶ、花形の総ての括なれば也、又花萼とよぶ、葩の萼にして、歯に齶(はぐき)あるがごとし、又蒂(へた)とよぶ、葩と茎とお隔つの義、剣に鍔あるがごとし、蓋つばは刃と柄(つか)との間おつばめるの義、されば萼は花総のつばめにて、つぼみのもと也、故につばめ、つぼむなどゝ音義通へり、萼齶鍔三字の形音義ともにひとしきおおもふべし、