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花壇綱目

諸草可肥事 一馬糞(ばふん)〈寒気お痛草に宜し、暑気お嫌草にも少宛根のまわりへ用也、〉 一下肥(げごへ)〈強こやしてよき草に用べし、但土にまぜ置、久しくして用也、〉 一田作(たつくり)〈下肥お痛草に用べし、能いりて粉にして用宜し、〉 一溝水土(みぞみづつち)〈干て粉にして沙お三分一程交てふるい、石竹の類に用て宜し、〉 一魚洗汁(うおあらひしる)〈根に肥の入かねる草に用なり、諸草ともに少づつ根廻へ用て宜し、〉 一荏油糟(えのあぶらかす)〈牡丹芍薬の類に少宛用てよろし、但秋冬計用て宜し、〉 一小便(せうべん)〈大方の草にくるしからず、但葉花に不懸、根廻へ雨の降まへお見合かくべきなり、〉 一馬便(ばべん)〈右より少やわらか也、諸草とも少づヽ用てよろし、用所同前なり、〉 一猫鼠類(ねこねずみのるい)〈牡丹柑類によろしと雲、未用知、〉 一油土器(かわらけ)〈粉にして、牡丹の根にちらして宜し、〉 一茶がら〈万草に用て宜し、夏中に少根廻に置べし、〉 一藁灰〈さんじこ、青蘭、水仙等に用也、其外下肥に交、少宛用なり、〉 一油糟〈牡丹菊芍薬の類、其外之草に少用てくるしからず、〉 一ごみほこり〈牡丹、蓮、河骨、水葵、沢瀉、大かた、此類の草に用て宜し、其外の草にも土にまぜ用てくるしからず、〉