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通賢花壇抄
唐むろ出入の時節 立冬十月節に入、清明三月節に出すお定とす、但し年の時候によりて遅早あるべし、其草木のうち寒気お恐るヽものは、早く入て遅く出すなり、 おかむろ出入の時節 これも十月節に入、三月中に出す、但し唐むろとは入るものことなり、 あなぐらむろ 出入おかむろと時節おなじことなり唐むろ作方 是は草木育草に詳なり おかむろ 是は人によりて大小あるべし、まづ二間に九尺程ならば、入口四尺、窻一尺に二尺程なるお一つあけて吉、此割お以て大小にて程おし、又一間に四尺位なるむろならば、入口三尺程、窻は無共吉、方角は東西南うけて吉、昼は障子おたて、夜は土戸お引べし、鼠の用心大節なり、 穴蔵むろ 山の手にかぎれり、深さ四尺許、横竪かぎりなし、上へ藁にて屋根おつくりて可也、上なるは、おかむろの如く作、内お三尺も堀、穴蔵にしたる、是上也、室高さ五尺程にて吉、