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草木奇品家雅見

高室は明和安永の頃、専奇品お弄し人なり、後年王事に徨なくして、今は絶て廃せり、此人高年にして矍爍、肌膚光潤、容貌壮年のごとし、或人これお問に、我昔盆栽お深く好み玩弄してもつて興お遣る、今廃すといへども猶日夜忘れず、心の中に想像して慰むかたとす、此ゆえに自老せぬなりとこたへしと雲、