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広益国産考

伐時〈◯杉木〉の事并に皮の事 吉野郡にては、春彼岸より十日立て、十日が間お至極の伐時とす、夫より十日ほどは中とす、又六月土用中ほどより八月彼岸までは、伐事あり、春は伐てすぐに皮おはぎ、巻ながら三日ほど水に浸して干あぐる也、左なければ虫入てあしヽ、秋伐は水に浸すに及ばず、すぐにうらの黄色になるまで干べし、薄皮は凡一日ほし、厚皮は二日干て宜し、