[p.0079]
古今著聞集
十九草木
松樹お貞木といふ事は、まさしく人のためにかの木の貞あるにはあらず、霜雪のはげしきにも色おあらためず、いつもみどりなれば、これお貞心にくらぶる也、貞松は年のさむきにあらはれ、忠臣は国のあやうきに見ゆと、番安仁が西征賦にかけるもこのこヽろなり、