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古今要覧稿
草木
五葉松〈◯中略〉 釈名 五葉松〈倭名類聚抄、按に本草綱目に唐蕭丙四声お引て、五粒松一叢五葉如釵子とあれば、李唐の人また既に五葉の名おいへり、〉五粒松(○○○)〈楊子漢語抄、按に酉陽雑俎に、松今言両粒五粒、粒当作鬣とあれば、李唐の世俗五粒松と言とも、実は五鬣と雲べきなりといへるなり、東雅に本草図経お引て、五粒字当作五鬣、音転訛也、五鬣為一叢といへども、酉陽雑俎お引べきなり、信充按に、集韻にて鬣弋渉切音葉とあれば、五鬣もと五葉の義なるべければ、粒の字と転訛すべきにあらず、然るお五粒五鬣相誤るお以て考ふれば、唐人既に鬣お猟の音によめると聞えたり、〉いつばの松(○○○○○)〈藻塩草〉 五鬣松(○○○)〈本草一家言〉