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古今要覧稿
草木
連葉松 連葉松は、〓津国勝曼院にあり、葉の本一つにして半より末二つにわかるヽと〈和訓栞〉いへり、その状したしくみずといへども、江戸にて一葉松といふお見るに、二葉ひしとよりつきて、一葉のごとく見ゆるものなり、その中に葉の中比までは風にあへば、わかれて二葉にみゆるもあり、またその中にも風にあたりてもしまりよく、はなれざるもあり、されば全く一葉にはあらざるなり、和訓栞雲、津の国勝曼院は施薬院の旧地といふ、連葉の松あり、葉の本は一本にして、半から二つにわかれたり、