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倭訓栞
前編六加
かへ 日本紀に柏およめり、香重の義なるべし、倭名抄同じ、今かへと名くる物なし、松柏とならべ称するによれば、今世、側柏、扁柏、円柏、混柏、仙柏の類のすべていふ成べし、倭名抄に榧子おもよめり、歌にもかへとよめり、今かやといふは転語也、蚊やうの義にはあらじ、柏実とも見へたり、日本紀延喜式などに、柏おかしはとよめば、柏に数種ありと知べし、かへの社、貫之集に見へたり、