[p.0116][p.0117]
広益国産考

檜(ひのき)〈別にあすならふといふ一種あり〉 檜は堂塔伽藍神社仏閣武家町家の家造りに至る迄、なくて協はざる良材なり、此木植る土地は、杉と粗かはる事なければ別に記さず、苗のまき方育方も同じければ、杉苗の拵へかたに見合すべし、依てこヽに略しぬ、 杉よりも枝よこに栄える心あれば、植立てよく、春彼岸までは枝おきり取べし、一度打ば跡は打べからず、下草は毎年六月より明三月までにかり立、その草は根におくべし、