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倭訓栞
中編二伊
いちひ〈◯中略〉 笏お飛騨の位山の櫟にて造るといへり、よて一位によせていへるは、椎お四位に寄てよめるが如し、本義にあらず、一説に位山の木は笏の木ともいふ、一位にていちひの櫟にあらず、榧に似たり、よて飛騨にていぬかや(○○○○)といふ、赤き実お結ぶ、榧よりは葉柔らかにして、信州にて峯蘇芳(○○○)といひ、花四にては伽羅木(○○○)といふ物也、満山皆此木なりとぞ、又楊弓の箭の木とす、