[p.0134]
草木六部耕種法
十九需実
榧(かや)は木も亦良材にて、且実は菓子とも為り、殊に油お搾るときは其利厚し、菓子とするには実大にして甘味あるお撰び植べし、又油榧(あぶらかや)あり、澀味有りて醜臭こと甚し、然れども油料とするに害なし、宜く二種共に多く栽べし、 植法は其実能く熟し、自落たる中にて肥大なるお撰び集め、外肉ともに苗地に植え置き、三年目に苗能く成長したるお、畑にても山野にても真土の肥たる処お撰び、牛馬の力お用て粗鑒術〈上に詳なり〉お行ひ、且軟膨術〈亦上に詳なり〉お施して、一段の地に七十五本づヽ植え付べし、