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大和本草
十二雑木
蒲葵(びれう) 本草椶櫚集解、時珍雲、別有蒲葵、葉与此相似、而柔薄可為扇笠、許慎説文以為椶櫚、亦誤矣中華より来る蒲葵扇は此葉はなりと雲、本草三十八巻、器物類に、時珍雲、蒲扇、嶺南以蒲葵為之と雲へり、南方草木状曰、蒲葵如栟櫚而柔薄可為葵笠、今案に蒲葵其葉椶櫚葉に似てひろし、日向及肥前の平戸に多し、肥後にはびれう島とて、此物多く生ずる島ありと雲、対馬にてはごはと雲、蒲扇今長崎にあり、