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草木六部耕種法
十九需実
胡桃(くるみ)は三種あり、其一お鬼胡桃(おにくるみ)とす、実大にして〓殻悉く〓〓(いぼら)あり、其二お姫胡桃とす、鬼胡桃に比れば、小にして〓〓(いぼ)なし、其三お軟皮胡桃(てうじくるみ)と雲ふ、此は鬼胡桃の如く、〓〓あれども、其殻薄くして手にても打砕べきお以なり、此お植る法は、全く榧に同じ、其実お取り収むるも、亦榧に異なること無し、然れども我祖父不昧軒翁の工夫にて、銀杏(いてう)、榧(かや)、胡桃(くるみ)、罌子桐(どくゆ)等の殻肉(からにく)お川に流棄こと無く、此お貯へ糞苴と為して用ふ、其効能甚だ妙功有り、