[p.0162]
重修本草綱目啓蒙
二十四喬木
白楊 はこやなぎ(○○○○○) はこや(○○○)〈新校正〉 はこやそ(○○○○)〈江州〉 まるばやなぎ(○○○○○○)〈同名あり〉 おかやなぎ(○○○○○) いぬぎり(○○○○)〈筑紫〉 いぬやなぎ(○○○○○)〈同上〉 つらふり(○○○○)〈播州〉 よめふり(○○○○)〈信州尾州〉 ゆやなぎ(○○○○)〈〓州〉 いやなぎ(○○○○)〈芸州〉 一名天蜈蚣〈秘方集験〉 沙瑟木〈郷薬本草〉 山野に自生多し、葉の形円にして末尖り、辺に鋸歯ありて厚く、面深緑色、背に白毛あり、春未だ新葉生ぜずして先花お発す、水楊の穂より長大なり、此木色白く箱筥の材とす、故にはこやなぎと呼ぶ、又牙杖(やうじ)に作る、 増、一種でろ(○○)と呼ものあり、即蝦夷産の白楊なり、近年これお伝へ栽ゆ、此樹甚だ長じ易し〓挿して三年お経れば、高さ丈余に及ぶ、其葉猶闊大にして厚く、背に毛茸あり、この木数年お歴れば必ず大木となるべし、